パソコン通信で図書の貸し出しをどうぞ
〜大阪市立中央図書館〜

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大阪市立図書館写真 大阪市立の図書館は、地域館が23館と 中央館があります。
1996年7月にリニューアルした中央館は、地下鉄 千日前 線・西長堀駅のほぼ真上、改札を出て地下道をすこし歩き、階段を登れば、もう図書館の入口、という交通の便のよいところです。
駅からは点字ブロック、エレベーターもあります。図書館の入口に立つと、どこかから声がきこえてきます。

『・・・こちらは地下一階フロア、案内板です、現在地点は・・・』

声のするほうをみると、触図・点字による案内板があり、ボタンを押せば、さらにくわしい案内も聞けるようになっています。

地上6階地下6階建て、地方自治体では最大規模の図書館だけあって、大きくて広いのですが、視覚障害者でも図書館内をひとりで迷わずに歩けるようにという配慮です。点字ブロックは、カウンターや障害者サービスコーナーへと続いています。

取材におこたえくださったのは、障害者サービスご担当の、高宮壽子さんと東泰江さん。
東さんは、ご自身も視覚障害者です。
盲導犬ポリーとともに、わたしを出迎えてくれました。

東さんと盲導犬ポリー 大阪市立中央図書館での障害者サービスのおもな内容は、視覚障害の方への対面朗読、点字・録音図書の貸し出し(郵送もふくめ)、肢体不自由の方への郵送貸し出し、聴覚障害の方へのFAXでの問い合わせ・連絡の受付、市販の字幕・手話付きのビデオの貸し出し、などです。

パソコン通信でのサービスについては、情報化時代にふさわしい図書館サービスを、という目的で、リニューアル開館時からはじまりました。

図書館の行事案内やおしらせ、図書の検索などが、地域や時間の枠をこえて、だれでも、どこからでも、24時間、自由にアクセスできるというわけです。

そして、障害のある方の場合は、このパソコン通信で、資料の予約などもできるようになっています。
予約サービスを受けたい場合は、事前に登録して、IDとパスワードを発行してもらうことが必要です。

予約の手順をおおまかにご紹介すると、
  1. 自分のパソコンから、大阪市立図書館のパソコン通信システム「OMLIN」(以下、オムリン)に、インターネット経由でなく、直接接続する。電話番号は、06−6531−2200。
  2. トップメニューが出るので、その中から自分の希望の番号をえらび、適当に配置して数字を入力する。予約したい場合は、まず、図書の検索をえらび、借りたい図書の書誌詳細画面を表示する。
  3. 「予約」を選択し、中央図書館以外で受け取りたい場合のみ、受取館の変更をする。
  4. 予約完了。郵送貸し出しの場合、貸し出し可能になり次第、図書が郵送されるといったながれです。
図書の中には、音楽CDなどもふくまれます。CDタイトルだけでなく、曲名からも検索ができるので、CDを借りる人も多いそうです。また、本によっては、日外アソシエーツの内容紹介や、館で作った もう少しくわしい内容紹介も見ることができます。

さて、現在このサービスを利用している障害者の方は45人。
せっかくの便利なサービスなのに、思ったよりも少ないように感じます。
このサービスのことは、図書館の利用案内にも のっていますし、新規に障害者サービスの登録をなさる方には説明もしているそうですが、なぜなんでしょう。

東さんによれば、「年輩の方が多いせいか、たいていの方は『パソコンなんてとんでもない』とおっしゃいます。
それと、視覚障害者でパソコンをする方は、以前よりは増えているものの、まだ けっして多くはないんです。」とのこと。

取材中の東さんと、筆者 実はわたしも、番組で取り上げるためにパソコンを買ったばかりの、新米ユーザー。
便利だろうなと、前から思ってはいたのですが、きっかけがないとなかなか始められないものです。
それに、実際に使いだしても、家電製品とは大違いで、TVコマーシャルでうたっているようにはいかないことも実感。

加えて、視覚障害のある場合は ほかのハードルもあります。

パソコンの基本ソフトとして主流のウィンドウズでは、画面をクリックする操作が中心となるため、以前のDOS方式とくらべて視覚障害者にとって使いにくくなったという声をよく耳にします。
また、視覚障害者のためにパソコンの販売とサポートをする(有)ラビットの代表で、ご自身も視覚障害者の荒川明宏さんによれば、一般 むけのパソコン教室はたくさんあっても、視覚障害者にパソコンを教えるスキルを持っている人はとても少なく、それも都市に集中しているそうです。
そんなことも思いだされて、東さんの話におおきくうなずいてしまいました。

東さんは、このシステムを使いたいという視覚障害者ユーザーの声にこたえ、いろいろな相談にものっています。
とくに、パソコン通信といえばインターネット接続のことだと思っている人が多いので、オムリンに直接接続する方法を説明することが多いそうです。(実は、わたしもわからなくて、結局、電話して教えてもらいました。)
でも、いったん接続してみれば、オムリンでは、マウスを使う必要はありません。
次になにをするかの指示に従って、キーボードでコマンドを入力するだけです。
グラフィックをまったく使わない、文字だけのシンプルな画面は、晴眼者にとっては一見地味かもしれませんし、コマンドをいちいち入力するのがまどろっこしいと感じるかもしれませんが、じつは、音声や点字変換ソフトを使っている視覚障害者が、ひとりでも操作可能なシステムなのです。

公共図書館のホームページ提供は年々増えています。
図書の検索も簡単にでき、多くの人にとって便利なものといえるでしょう。
ところが、視覚障害者にとって使えるかどうかという観点で、筑波技術短期大学生だった杉田正幸さんが検証したところ、読み上げソフトでは対応できない複雑なプログラムを一部に使っているために、読み上げ不可能だったり、検索ができないものが少なくなかったそうです(「みんなの図書館」1999・5月号)。
グラフィックを多用したホームページであっても、画像を説明するテキストをつけるなどの工夫で、視覚障害者も充分に利用が可能です。
それだけに、この調査結果はとても残念なことだと思いました。
「たいしたことは なにもしていないんです」と、けんそんしながら説明をしてくださった高宮さん、東さんでしたが、誰でもが使える大阪市立中央図書館のパソコン通 信サービスは、「情報のバリアフリー」という点でも有意義なとり組みなのだということを、あらためて認識しました。

住民へのサービス向上のひとつとして、公共図書館でのネット上の情報サービスはこれからも増えていくでしょう。
そのシステムをつくる時、「この町に暮らす人の中には 障害のある人もいる。そういう人にはどういう配慮が必要なんだろう。わかる人に聞いてみよう」そんなことをちょっと意識していただけたなら、さらに意味のある情報サービスになっていくのではないでしょうか。

この取材を通じて、そんなことを感じました。みなさんはいかがですか?

(問い合わせ)・大阪市立中央図書館 障害者サービス係
電話 06−6539−3304
(ホームページ作りのご参考に)
日本IBM バリアフリーの扉〜ホームページ作成上の考慮点〜

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