自宅で録音図書を作るにあたって、どうやって静かな環境を確保するか・・・これは、音訳者の誰もが頭を悩ませるところではないでしょうか。そこで今日は、私の試行錯誤をご紹介したいと思います。
よく、カーテンを張れば防音になるという話を聞きますが、これはほとんど効果がありません。ふとんを叩く音や犬の無駄吠えなどは、窓を締め切ってカーテンを張ったくらいでは、まったく効き目はありません。でも、鉛のカーテンなら効き目はあるでしょう。ちなみに、鉛のカーテンは東急ハンズで入手できるそうです。
音は空気の振動で伝わって来ますので、この振動を抑えてやれば、遮音になる訳です。振動は、やわらかいクッションのようなもので吸収するか、重い壁でさえぎる方法があります。騒音の高音成分は厚手のカーテンや毛布でも抑えられますが、低音成分は抑えられません。低音は厚い重い壁で空気の振動を遮断しなければなりません。
そこで、窓を壁でふさいでしまったら、どうなるか、試してみることにしました。窓の内側を厚さ12ミリメートルの合板でふさいでみたら、絶大な効果がありました。犬がどんなに吼えようが、ふとんを強く叩かれても、まったく音は聞こえません。
しかし、困ったことに、合板で窓をふさいだため、部屋は真っ暗で空気の入れ替えもできません。火災のときに窓から逃げることもできませんので、このような部屋の改造は建築基準法にも違反しているはずです。音訳中に火事になり、窓から逃げられず焼死なんて嫌ですから、窓をふさいでいた合板をはずし、元通りに戻しました。そして、合板の代わりに、ガラス屋から買ってきた防音サッシを窓の内側に取り付けました。これで、部屋も明るくなりましたが、遮音については、合板を貼り付けたときのように完璧ではなくなりました。窓が二重になったので、騒音は減りましたが、音訳には遮音は不十分です。しかし二重窓のおかげで、窓の結露がなくなり、冷暖房費の節約にもなっています。
さらに騒音を遮断するために、この部屋の中に4分の3畳大、つまりトイレと同じくらいの大きさの録音室を作ることにしました。録音室の壁は、厚さ12ミリメートルの石膏ボード2枚の間にグラスウールをサンドイッチのようにはさんで作りました。
録音室の中にはテーブルや棚、照明も作りつけ、音訳関係の資料などもこの部屋に保管しています。この狭い部屋で音訳の下調べから録音まで、なんでもできて便利なので、一日中こもっていたら、酸欠で倒れてしまったことがあります。騒音を侵入させないため、録音室を完全密閉にしてしまっていたのです。音訳中に死にたくないものですから、給排気装置を作ることにしました。単純な換気扇ですと音が漏れてくるので、空気の流れみちを迷路のようにくねらせた給排気ダクトを作り、録音室に取り付けました。これで、酸欠しないですみます。あまり居心地のよい部屋なので、息子のボーカル練習室に奪われそうです。
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