天才的と言って良いほど人の名前を忘れる男が、定年を控えたある日、人の名前がスイと出て来るようになった。きっと失った能力があるに違いない、その訳をつきとめようと四苦八苦する様が可笑しくほろりとする(表題作)。幼児期に母と別れた主人公の母恋の感情を、谷崎の「少将滋幹(しょうしょう しげもと)の母」と歌舞伎の「義経千本桜」に関連させて描いた「狐恋い」他7編。 (音訳:東 涼子)
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